お知らせ
QOLあげあげモンキーアパート 第3弾!!!
みなさんこんにちは~!
QOLあげあげモンキーアパート、第3弾です!!!
前回に引き続き、環境改善とサルたちの変化についての内容です。
今回は【フィーダー】についてです。
フィーダーとは給餌器または、給餌装置のことで、動物が採食行動に費やす時間を延長させたり、
種本来の採餌行動を引き出すことが期待できます。
前回のブログの行動調査の結果から、採食時間と行動レパートリーが少ないということが分かりました。
そこで、採食時間を増やしたり、暇でやることのない時間を減らしたり、頭を使って考えることのできるものはないか考えました。
そして考えついたのが、 「竹柱フィーダー」 です!!!
1本の竹の全ての節にランダムな位置に穴をあけ、フサオマキザルの展示場の上から3本吊るしました。
野生のフサオマキザルは竹の中にいるカエルなどを食べるために竹を割るということがあるようですが、今回のこの竹柱フィーダーは手を入れてエサを探すことを目的にして作りました。
入れた結果、始めはどうしたらいいかわからない様子でしたが、次第に竹を壁に打ち付けたり、手を入れてみたり、穴を必死に覗いたり、竹をノックして音の変化を確かめ、竹の中に何か入っていないか確かめる行動などが見られました。 ちなみに、竹をノックする行動は、野生でカエルが中にいるか確かめるときにもみられる行動です。
ドグエラヒヒにも竹のフィーダーを作りました。 ドグエラヒヒは天井から吊るさずに、そのままあげてみました。
竹にあけた穴はドグエラヒヒの手の入るサイズではないので、どうやって中のエサを取るのかと思ったら、壁や床に竹をおもいっきり叩きつけていました。
これがヒヒが割った竹です。
だいたい、2,3日でこのバラバラの状態になります。
竹を叩きつけて、ある程度ヒビが入ったら、手と口を使って、引き裂いているのかとと思われます。
そして、フィーダーを使うようになって、ドグエラヒヒに変化が現れました。
ドグエラヒヒのフィーフィーは寝室の壁にウンチを擦り付けるという問題行動がありました。毎朝2,3か所に擦り付けてあり、収容後の夜間に行っていたと思われます。しかし、それがほぼなくなりました。
おそらく、今まではやることや刺激がない単調な暮らしだったのが、フィーダーや前回の内容のように丸太が増えたり、今後お話しする日々の関わり合いなどにより、暇が少し減り頭を使って考え刺激が増えたということが、問題行動の減少につながったのではないのかと思います。 この結果は、フィーフィーにとってとても良い1歩となりました。
また、AMAZONの欲しいものリストより皆さんからいただいた、ブイもフィーダーにしました。
ブイに穴をあけて、フサオマキザルには天井にたくさん吊るしました。
フサオマキザルはブイの穴を覗いて、手を入れてエサを取っていました。天井の不安定な場所で片手を離し、足と片手と尻尾で器用に体を支えながらブイを探るので、頭を使って考えていて、とても良い行動が引き出せました。
ドグエラヒヒのフィーフィーには穴をあけたブイを床に置きました。覗いて確認しながら転がして、エサを取っていました。
フィーダーは採食時間を増やしたり、頭を使って考えるという1つの手段としての可能性をとても感じました。
徐々にモンキーアパートのサルたちが良くなってきた!? いやいやまだまだです。この段階では少し採食時間を増やせて、暇が少し減っただけです。
次回!コンクリートなくす作戦!!! などのお話です。
おたのしみに~!!!
飼育員 加藤あやか